AWS Billing Conductorは、マルチアカウント環境でpro forma(仮想的な)請求データを生成し、内部チャージバックやMSPによるリセール請求を支える機能群である。今回追加されたBilling Transfer Inventoryページは、請求転送招待を受信または承諾したものの、請求グループに紐づけられていないアカウントを一覧で表示する。

請求転送を承諾するとそのアカウントの請求データは招待元へ移されるが、招待元側で請求グループを設定しない限り、Billing and Cost Managementツール上でpro formaコストデータにアクセスできない。この「承諾済みだが未設定」という状態は、これまでコンソール上で能動的に検出する手段がなく、設定漏れに気付かないまま月次の請求集計に欠落が生じるケースが運用上の課題だった。

新機能ではこの検出に加え、AWS User NotificationsとAmazon EventBridgeを利用した日次サマリー通知が用意されている。通知チャネルはメール、Amazon Q Developer in chat applications経由のSlack・Microsoft Teams・Amazon Chime、AWS Console Mobile Applicationのプッシュ通知、Console Notifications Centerに対応する。FinOpsやDevOpsチームが普段利用するチャットツールに直接届くため、運用ワークフローへの組み込みが容易になる。

注意点として、本機能の提供リージョンは現時点で米国東部(バージニア北部)のみである。Billing Conductor自体がグローバルサービス的に米国東部を起点に提供される設計のため大きな制約ではないが、EventBridgeルールの作成リージョンは合わせる必要がある。