AWSが、人間の海馬(記憶をつかさどる脳の部位)の索引構造に着想した検索拡張生成手法「HippoRAG」の実装方法を公式ブログで公開した。従来のRAG(社内文書を検索して回答に使う仕組み)は各文書を独立して扱うため、複数文書をまたぐ多段推論(マルチホップ推論)が苦手だった。
HippoRAGはエンティティ(実体)間の関係を知識グラフで表し、関連度計算アルゴリズムのパーソナライズド・ページランクで辿ることで、検索を繰り返さず1回の検索で多段推論に必要な情報を集める。実装はAmazon Bedrock(大規模言語モデル)、Amazon Neptune(グラフDB)、Neptune Analytics(グラフ解析)、Titan Embeddings(ベクトル化)の4サービスで完結する。データ処理では複数文書横断ベンチマークのHotpotQAから三つ組(主語・関係・目的語)を抽出しNeptuneに投入する。
意義は、外部の検索基盤を追加せずAWSのマネージドサービスだけで多段推論RAGを組める設計図が示された点にある。すでにAWSを使う企業が追加ベンダーなしで自社データを試せる。