AWSがAWS Machine Learning Blogで、社内の複数チームによる「AIネイティブ開発」の試行結果を公開した。出荷速度は中央値4.5倍、一部は10倍超に達した。Amazon Bedrockの基盤再構築は、推定30人・12〜18か月の案件を6人・76日で完了し、1人あたりコミット数は週2件から40件へ約20倍に増えた。Prime Videoの財務システムチームは10日間で556コミット(通常96件)を達成し、90週の見積もりを24週に短縮した。

最大の論点は、差を生んだのがツールではなく作業構造だった点だ。Amazon Storesの試験では、ツールと手順の両方を変えた25チームだけが中央値4.5倍・一部10倍超の伸びを示した。AI支援を既存フローに足すだけでは差は出ない。成功チームはコンテキストへの投資、最初の減速の受容、複数エージェントの並行運用、着手前の意図の明文化を共通して実践していた。

「最初の2週間はむしろ遅くなり、その後に複利で効く」という定量知見は、導入直後の生産性低下で早々に打ち切る判断を避ける材料になる。最適化対象を生成速度から「正しく本番に届く速度」へ移す視点が、AI導入の投資判断を担う技術・事業責任者の指針になる。