AWSとArmが協業し、AI統合開発環境「Kiro」向けの支援機能「Arm SoC Migration Power」を公開した。組み込みソフトのコード資産を、あるArm系チップ(SoC)から別のArm系チップへ移植する作業を、制約や前提を分析することで支援する。コードを自動生成するのではなく開発者の判断を助ける点が特徴で、実装コードはGitHub上で公開されている。

Kiroは「仕様駆動型」を採用し、短い要望を要件・設計・タスクの3段階仕様書(Markdown形式)に展開してAIエージェントに作業させる。これにより、場当たり的な指示で精度が崩れるやり直し負担を減らす。開発はAWS Graviton搭載のEC2インスタンス「C7G」(ARMv8.4-A命令セット)で開始でき、量産段階ではNXP i.MX 8M Plusなどの車載SoCへの統合を想定する。

自動車業界では新ECU開発の期間を最大5年以上から18カ月以下へ縮める動きがあり、クラウド上の仮想ECUから本番ハードへ性能・タイミング・安全性を崩さず移す「管理された移行」が量産化の成否を分ける。今回の機能はその移行を支援し、想定外の手戻りを抑える実務的価値を持つ。