PwCとAWS:契約解析実装を公開
画像: AI生成

PwCがAWS上に構築した契約書インサイト抽出ソリューション「AI-Driven Annotation(AIDA)」の実装詳細が、2026年4月30日にAWS Machine Learning Blogで公開された。共同執筆にはPwCのYash Munsadwala氏、Adam Hood氏、Justin Guse氏、Hector Hernandez氏が名を連ねている。

AIDAは3つの機能で構成される。第一にテンプレートベース抽出で、契約書から定型的な条項や数値を構造化して取り出す。第二に文書レベルチャットで、特定の契約書に対する自然言語質問に回答する。第三に複数文書横断のグローバルチャットで、契約ポートフォリオ全体に対する横串の問い合わせを可能にする。

アーキテクチャはAmazon Bedrockが提供するLLMと埋め込みモデル、Amazon OpenSearch Serverlessのベクター検索、そしてRAGパターンを組み合わせる。セキュリティ層としてAmazon Bedrock Guardrailsがコンテンツフィルタリング、PII保護、プロンプト安全制御を担い、認証はAmazon Cognitoを介してMicrosoft Entra IDやOktaといった企業IDプロバイダーと統合する設計になっている。

導入効果として、手動契約レビュー時間を最大90%削減した顧客実績が示されている。特に大手映画・TVスタジオでは、ライセンス契約からの権利情報調査時間が90%削減されたと報告されている。契約量が多く条項の定型性が高い業界ほど、ROIが明確に出る構成と言える。

読者にとっての意味は明確だ。大手コンサルの実装リファレンスがAWS公式に文章化されたことで、法務・調達DXのPoC稟議に使える数値と構成要素が揃った。Bedrock Guardrails・WAF・Cognitoという3層のセキュリティ設計は、機密文書を扱う社内AI利用基準を作る際の比較対象になる。