電子機器の受託製造大手Jabilが、Siemens傘下のMendixおよびAWSと組み、製造現場の不良診断を支援するAIアシスタント「Debug Tool Assistant」を構築した。製品のシリアル番号を読み取ると、過去の不良記録や仕様書、熟練者の知見を統合した知識ベースから、要約・出典付き・現地語化された対処手順を数秒で提示する。構想から稼働まで4週間で到達した。

成果はコスト削減を数値で示している。不良分析を25%加速して製造間接費を抑え、廃棄・手戻りを15%削減して売上原価を下げ、診断・解決速度を20%向上させた。AI推論はAmazon Bedrock、文書保管はAmazon S3、業務連携はMendixが担い、既存システムを置き換えずに上乗せする構成とした。

従来、診断担当者は分散した文書の検索に作業時間の最大3割を費やしていた。承認済みの技術者の知見を知識ベースに戻す継続的改善の仕組みも備え、属人化した熟練知を再利用可能な資産に変えた点が、製造業のAI導入を検討する企業の参考になる。