AWSはIndustries Blogで、医療機関が抱えるデータ断片化の課題に対し、HealthLakeを中核に据えたFHIRベースの連携医療基盤(Care Continuum)構築のビジョンを公開した。

Care Continuumとは、患者が予防・診断・治療・回復・在宅ケアといった一連の医療プロセスを移動する間、データが途切れず連携される状態を指す。現状は電子カルテ、検査システム、薬局システム、ウェアラブルなどがサイロ化しており、AIによる予測・診断支援を阻害している。AWSはHL7 FHIR(医療データ交換の国際標準)をネイティブにサポートするマネージドサービスHealthLakeを基盤として、これらを統合する設計を提示した。

日本の文脈では、厚生労働省が電子カルテ情報共有サービスでHL7 FHIRを採用しており、医療機関・自治体・ベンダーがFHIR対応基盤を整備する局面にある。本記事の設計指針は、自前でFHIRサーバーを構築する場合とマネージドサービスを使う場合の比較材料となる。一方、医療データは3省2ガイドラインや個人情報保護法の厳格な規制対象であり、クラウド活用時のデータレジデンシー、監査ログ、責任共有モデルの確認が実装着手時の落とし穴になりやすい。

他社事例では、Google CloudのHealthcare API、MicrosoftのAzure Health Data Servicesも同様にFHIRマネージド基盤を提供しており、日本の医療機関は3社の機能・価格・国内データセンター対応を比較する段階に入っている。コストROIの公開数値は本ソースにはなく、PoC段階で取込件数・変換成功率・AI推論連携時間を実測することが投資判断の材料となる。