飲食業向けにシステムを提供するPAR Technologyが、自然言語で社内データを問い合わせる分析エージェントの構築事例をAWS Machine Learning Blogで公開した。300社超の飲食事業者が同じデータベースを共有しながら、利用者ごとに見える行を厳密に制限する必要があり、同じ「先週の売上は?」でも2店舗の経営者には8万4千ドル、200店舗のブランド責任者には920万ドルと正解が異なる。

初期版はSQLを生成するLLMが唯一の防壁だったが、LLMは確率的に出力するため一度フィルタを外す余地が残り、本番運用に不十分と判断された。そこでPARはデータ境界をモデルの挙動に依存させず、アーキテクチャ側で確定的に強制する三層構成を採った。AWS SigV4による暗号的リクエスト署名Amazon Bedrockでの意味的検証Split-Plane SQLによるデータ分離の3層が独立して動作する。

全APIリクエストはテナントID・ビジネスID・管理者IDの3値を持ち、結果はその組み合わせが許可された範囲のみに限定される。モデルはAmazon Bedrock上のAnthropic Claude Sonnet 4を使用。Text-to-SQLでマルチテナント分析を組む企業に、権限分離をどこで担保すべきかの実装手本を示す事例である。