1年前のロンドン技術週間で、NVIDIA創業者兼CEOのJensen Huangと英国のKeir Starmer首相は「英国はAIを使う側ではなく作る側になる」と宣言した。2026年6月8日の同イベントに合わせ、NVIDIAとパートナーはその約束の1年間の進捗を報告した。

核心は、データと計算資源を国内に置く『主権AI』が調達基準になりつつある点だ。英国内にAI基盤の設置を計画する事業者は1年で2倍に増えた。英国最速スパコン「Isambard-AI」はGH200 Grace Hopperチップ5,400基で構成され、ゼロ炭素電力で稼働する。推論専業のDoublewordはこの基盤上でモデル起動を70倍高速化し、推論コストを他社比9〜9.5割削減したと報告した。

NVIDIAは英国の新興企業に20億ポンドを投資し、支援プログラムNVIDIA Inceptionの参加企業は1年で5割増えた。学習だけでなく推論まで国内基盤で回す動きは、コストと主権の両面で意思決定に効く実例であり、日本を含む各国の自国基盤整備の流れを読む材料になる。