ボストン小児病院が、OpenAIのAIを活用して数十年診断がつかなかった患者を数週間で診断に導いた事例を公開した。希少疾患では散在するカルテや検査結果を横断する作業が膨大になるが、その負荷をAIが補助することで医師が判断に集中できたという構図である。AIが診断を下すのではなく、医師の判断材料を素早く揃える補助役に置かれている点が、規制の厳しい臨床現場で実用に乗った理由になる。

同じタイミングでOpenAIは医療領域を汎用ChatGPTから切り出し、企業向けの「OpenAI for Healthcare」と個人向けの「ChatGPT Health」を発表した。FierceHealthcareは前者を医療事業者向けの生成AIワークスペースとして報じている。価格などの条件は公開数値なしだが、規制下の医療調達という別市場を狙う姿勢が製品分割に表れている。

国内の医療AI導入担当にとっては、海外の臨床成果が先行する一方、患者データの扱いと診断責任の分界を自前で設計する負担が残る点が論点になる。