OpenAIは2026年6月18日、研究チームが同社の推論モデルを使い、原因不明だった希少遺伝性疾患の症例で18件の新規診断を導き出したと公表した。対象は子どもに影響する希少な遺伝性疾患で、医師の診断を支援する用途である。

注目すべきは、18件のうち7件が別の研究現場ですでに診断が確立されていたものを改めて見つけ直した「再発見」だった点だ。これは診断結果が現場をまたいで共有されず、検査記録に反映されていなかったことを意味する。AIが記録上の見落としを拾い直せた実用上の手応えと、医療データ連携の構造的な弱さを同時に示している。

用途は医師を置き換えるものではなく、判断を支援する位置づけである。これまで医療AIの活用は画像診断や事務効率化が中心だったが、今回は症状の特徴から原因疾患を推し量る診断推論そのものへ踏み込んだ具体例となった。AI出力は最終的に医師が検証・確定する前提で運用されている。