NVIDIAは初の自社設計CPU「Vera」を、金曜にサンフランシスコのAnthropic、Mission BayのOpenAI、パロアルトのSpaceXAIの3拠点へ、続く月曜にサンタクララのOracle Cloud Infrastructureへ納入した。Hyperscale and High-Performance Computing担当副社長のIan Buckが自ら届けたという演出が、同社にとって初号機の象徴的な意味を裏付けている。
Veraはエージェント型AIワークロード向けに設計されたCPUとして位置づけられている。NVIDIAはこれまでGPUとネットワーキング、ソフトウェアスタックを軸にAIインフラ市場をリードしてきたが、CPUを自社で揃えたことでGPUとの密結合設計やエージェント向けオーケストレーションの最適化を、自社単独で完結できる体制が出荷段階に入った。
注目すべきは初期顧客の顔ぶれだ。Anthropic、OpenAI、SpaceXAIという最先端ラボに加え、ハイパースケーラーのOCIが名を連ねた。エージェントAIの計算需要が集中する場所が、出荷先リストから素直に読める構図になっている。
日本の意思決定者にとっては、現時点で直接の出荷情報は米国側に限られているため、影響は段階的だ。ただしOCI経由でVera搭載インスタンスが提供されれば、国内クラウド利用者の選択肢にも到達する。サーバーCPU調達でx86一択だった構造に、AI特化CPUという新しい比較軸が加わる点を、調達担当は早めに記録しておく価値がある。SAP Sapphireで発表されたNVIDIAとSAPの協業拡大も、エンタープライズ向け特化型エージェントへの導線として併走している。