OpenAIが2026年6月3日、生命科学研究向けの専用モデル「GPT-Rosalind」に新機能を追加したと発表した。強化されたのは、生物学的推論、創薬向けの化学(医薬品化学)、ゲノム解析、実験手順の設計という4つの研究作業の領域である。GPT-Rosalindは以前から公開されていた生命科学特化モデルで、今回はその機能拡張版にあたる。
重要なのは、汎用の対話AIではなく専門領域に絞った点だ。汎用モデル「GPT-5.4」や自律作業を進める「ChatGPT agent」といった基盤技術の進展が、この専門特化を支えている。研究者にとっては、実験計画の立案や文献に基づく推論の補助が現実的な選択肢に入った。
一方で生物関連の高度な能力は悪用リスクを伴う。OpenAIは能力強化と並行して、生物学的脅威への備えを扱う「Rosalind Biodefense」を展開しており、医療分野向けの「ChatGPT Health」も公開している。能力強化と安全対策を同時に進める構図に注目する価値がある。