PROMISE-AD研究チーム:AD進行予測モデル公開
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PROMISE-ADは、アルツハイマー病の進行予測における複数の実装課題を一体で解く生存解析フレームワークとしてarXivに公開された。対象は健常(CN)から軽度認知障害(MCI)、MCIからアルツハイマー型認知症への変換という2段階の遷移で、ADNI/TADPOLEの表形式受診履歴を入力とする。

特徴量設計では、標準化された測定値・欠損マスク・縦断変化・時間正規化スロープ・受診タイミング・非診断カテゴリ属性をトークン化する。これにより不規則な受診間隔と欠損を持つ実臨床データを直接扱える。時系列Transformerはグローバル表現、アテンションプーリング、最新受診の3種の表現を融合し、進行スコアと離散時間の混合ハザードを推定する。

学習では生存尤度、ホライズン別focal損失、進行ランキング、ハザード平滑化、混合バランス正則化を組み合わせ、バリデーションセット上でアイソトニックキャリブレーションを行い1・2・3・5年のリスクを確率として出力する。

3シードでのホールドアウト評価では、CN→MCI変換で統合ブライアスコア0.085±0.012、C-index 0.808±0.015、平均時間依存AUC 0.840±0.081を達成し、比較手法中最低のIBSを記録した。MCI→AD変換ではC-index 0.894±0.018、5年AUROC 0.997±0.003、AUPRC 0.999±0.001と高い識別性能を示した(ただしIBSでは一部ベースラインが上回った)。

アブレーションと解釈可能性分析は、縦断変化特徴、融合時系列表現、混合ハザード、認知・機能指標、APOE4状態、変換直前の受診の寄与を支持した。診断ラベルを特徴から外すleakage-safe設計と、確率キャリブレーションを同一パイプラインに組み込んだ点が、医療AIの実装テンプレートとして参照価値を持つ。