IBMの研究チームが、大規模言語モデル(LLM)単体では企業の複雑な業務に対応しきれないとし、知識グラフや静的解析でLLMを業務の方向へ誘導する設計手法「エージェント・ロジック」を公開した。企業業務は長時間・動的で多数のAPIやデータベース、規制が絡むため、LLMに丸投げするとコンテキストが膨れ誤出力やトークン増を招く。

レガシーコード(Cobol/PL/1)理解では静的解析で索引化した情報を渡し、汎用モデル単体比でトークンを約30分の1に削減(Mistral Medium 250B)。テスト生成ライブラリ「Aster」は社内75以上のJavaアプリで網羅率を20〜45%向上させ最大15分の1のトークンを実現(Devstral 24B)。障害調査エージェント「I3」はITBenchでGPT-5.1のReActエージェント比で最大4倍の性能を示しIBM Concertの一部として発表された。バグ修正エージェントは原因特定3倍・修復1.6倍の性能を、それぞれ3.7分の15.9分の1のトークンで達成(Gemini 2.5 Flash)。

汎用モデル競争から「業務に組み込むための周辺ロジック設計」へ関心が移りつつあることを示す事例であり、AI運用コストに悩む企業の導入設計の指針となる。