Hapag-Lloyd:フィードバック分析自動化
画像: AI生成

Hapag-LloydのDigital Customer Experience and Engineeringチーム(ハンブルクとグダニスクに分散)が、顧客フィードバックを実務の意思決定につなぐ生成AIパイプラインをAWS公式ブログで公開した。構成は明確に2層に分かれている。

第1層はバッチ処理系で、日次起動のLambdaが新規フィードバックを取得し、Amazon Bedrock経由のモデルでpositive/negative/mixed/neutralの4分類を付与、OpenSearch Serviceにインデックスする。さらに2週間ごとに第2のLambdaがトレンド集計レポートを生成し、Amazon SESで製品マネージャーへメール配信する。このレポートがスプリント計画にそのまま使われる点が実務的な特徴だ。

第2層は対話系の社内チャットボットで、LangGraphによるマルチエージェント構成を採用し、バックエンドモデルにClaude Sonnet 4.6(Amazon Bedrock経由)を使用する。Bedrock Guardrailsでブランド基準とコンプライアンス基準を適用している。

読者にとっての価値は、分類のような定型処理を安価なバッチに寄せ、探索的な質疑応答を高性能モデル+エージェントに分離するという責務設計が、実サービス規模で成立していると確認できる点にある。CX系SaaS(Medallia、Qualtrics等)との比較では、自社データをAWS内で完結させたい企業にとって内製パターンの具体的な参照点になる。一方、公開情報にはコストや1件あたり処理単価の数値は含まれていないため、PoC時には自社データで実測する必要がある。落とし穴として、Guardrailsの具体ポリシー設計と、感情4分類が自社の業務アクションに本当に接続するか(分類粒度が粗すぎないか)を事前に切り分けておきたい。