Sakana AIが2026年6月22日、複数のAIモデルを自動で使い分けて協調させる司令塔型モデル「Sakana Fugu」を公開した。利用者は1つのAPIに依頼を送るだけで、内部が自力で解くか専門モデルのチームを編成して処理を進める。標準版Fuguと高精度版Fugu Ultraの2種があり、いずれもOpenAI互換のAPIで利用できる。約500人の早期利用者によるベータ運用を経ての公開で、コードレビューやセキュリティ評価、自動研究などの長く複雑な作業で効果が確認されている。
上位版Fugu Ultraは、エンジニアリング・科学・推論の難関評価でAnthropicのFable 5・Mythos Previewと肩を並べる水準を示したとされる。注目すべきは、自社で単一の巨大モデルを新規に訓練せず、複数モデルの協調だけでこの水準に届いた点である。発想は同社の研究論文「Trinity」「Conductor」(ICLR 2026)を土台にしている。
背景にあるのが、Fable 5・Mythos Previewが輸出規制の対象になった事例だ。Fuguはこの規制対象モデルを内部のモデル群に含めず、提供元が制限された際に自動で別経路へ迂回する設計を採る。重要インフラ・金融・行政など単一企業のAPIに頼る危うさを抱える領域にとって、最先端性能とベンダー分散リスク回避を両立させる選択肢になりうる点が判断材料になる。