Sakana AIとSMBC:提案書自動生成アプリ開発
画像: AI生成

Sakana AIとSMBCグループは、2025年5月のパートナーシップ契約締結以来、最先端AI技術による業務変革を検討してきた。その第一号案件として、三井住友銀行のホールセールビジネス向けに「提案書自動生成アプリケーション」を共同開発し、実務適用を開始した。

本アプリケーションの特徴は、役割の異なる複数AIエージェントの自律連携にある。情報収集、分析、仮説構築、ストーリー策定、品質評価、ファクトチェックまでを別々のエージェントが担い、相互に連携して一貫性のある提案内容を創出する。ワークフロー自体をAIが自律的に構築・実行する設計で、単一LLMに全工程を任せる構成とは一線を画す。

機能面では、単なるドラフト作成の自動化にとどまらない点が重要だ。対象企業の財務・非財務情報をAIが深く分析し、人間では見落としがちな新たな視点や客観的な論点を提示する。行員の作業削減ではなく、戦略的思考支援を目的として設計されている。

意思決定者にとっての示唆は3点ある。第一に、マルチエージェント構成が研究段階から国内メガバンクの基幹業務に投入された実例として、自社業務への応用可能性を具体的に検討する材料になる。第二に、Sakana AIはSMBCグループ内の他業務領域への順次拡大を公式に明言しており、国産AIの金融向け導入が横展開フェーズに入ったことを示す。第三に、ファクトチェック専任エージェントを構成に組み込む設計は、出力品質と説明責任が問われる業界での実装パターンとして参考になる。