AWSは2026年4月30日、Amazon QuickのMicrosoft 365向け拡張としてExcel・PowerPointのプレビュー公開とWord拡張の機能更新を発表した。いずれもユーザーのMicrosoft 365環境内でQuickがタスクを直接実行する構成で、財務モデル構築、プレゼン資料作成、契約書レッドラインなどをAIに委ねられる。
Excel拡張は複雑なスプレッドシート分析、ピボットテーブル・グラフ作成、データのインポートとクリーニングを担う。PowerPoint拡張は組織定義のテンプレートを用いてQuickのデータからプレゼン資料を生成・改善する。Word拡張の更新では、Wordプリミティブによる書式付き文書生成、変更履歴を有効にした一括編集、コメントへのレビュアー参加が追加された。編集履歴やコメントといったOffice固有のオブジェクトをエージェントが操作対象にする点が、従来の「外部生成テキストを貼り付ける」統合とは異なる。
AWSが提示するユースケースは部門横断だ。財務は要件を説明するだけでモデル構築、営業はCRMから自動で提案書を生成、マーケは手動整形なしでブランド準拠資料を作成、法務は契約レビューを効率化、ITは定型データ分析を自動化する。CRM連携はQuickデータソースに依存するため、既存のAWSデータ基盤を持つ企業ほど実装コストは下がる。
提供リージョンは米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(シドニー・東京)、欧州(アイルランド・フランクフルト・ロンドン)の7拠点。東京リージョンが含まれるため、国内企業もデータ所在地要件と整合する形でプレビュー評価に入れる。機能領域はMicrosoft Copilot for M365と重なるため、AWS顧客はどちらで業務自動化を実装するかを具体的なユースケースで比較する段階に入った。プレビュー段階のため、本番データ投入前に拡張のアクセス範囲と権限境界を運用側で定義する必要がある。