OpenAIは2026年6月11日、天体物理学者Chi-kwan Chan氏が同社のコード生成支援ツールCodexを使ってブラックホールの数値計算(シミュレーション)を構築している事例を公開した。目的は、ブラックホール周辺のような極限環境の物理現象を研究し、アインシュタインの一般相対性理論を検証することにある。

ブラックホールの数値計算のような研究コードは、物理の知識とプログラミングの両方を要し、コードの開発・保守そのものが研究の足かせになりやすい。すでに一般提供されているCodexがこの工程を支援できることは、AIコード支援が汎用ソフトウェア開発の枠を越え、高度な専門領域でも実用段階に入ったことを示す。OpenAIはCodexを開発者向けから一般提供へ広げ、コーディング以外の知的作業にも用途を拡張してきており、今回はその延長で科学研究の現場での活用を打ち出した。

ただし高度な数値計算では計算結果の妥当性検証が欠かせない。AIにコードを任せても、結果の正しさを確かめる工程は人間側に残る点が、導入を検討する読者にとっての判断材料になる。