GoogleはGoogle I/Oに合わせて、Geminiシリーズの最新世代となる「Gemini 3.5」を公式ブログで発表した。打ち出されたキーフレーズは「frontier intelligence with action」。フロンティアレベルの知能に加え、「行動する」ことを正面に据えた点が、これまでのGeminiの位置づけと明確に異なる。

ここでいう「action」は、モデルがユーザーの指示に応じて単に回答を返すだけでなく、ツールを呼び出し、外部システム上で具体的なタスクを実行することを指す方向性とみてよい。AIエージェントのトレンドが2025年から続くなかで、Googleはアプリ層ではなくモデル層からエージェント機能を統合する立場をI/Oというフラッグシップの場で改めて示した形になる。

日本の開発現場にとっての含意は二つある。第一に、エージェント実装の責務分担の見直しだ。これまでLangChain系フレームワークやアプリ側で組んでいたツール呼び出し・計画立案を、モデル本体に寄せる選択肢が現実的になる。第二に、評価指標の更新である。MMLUなどの知識ベンチマークだけでなく、ツール実行成功率・タスク完遂率・人間介入回数といった「行動」軸の指標を、自社のPoCで測る必要が出てくる。

一方で、現時点で公式ブログ以外の詳細情報(API仕様、価格、提供地域、安全策)は本記事執筆時点で限られている。日本語環境での性能、Workspace・Google Cloudとの統合範囲、企業向け権限制御の具体は、続報と公式ドキュメントで確認すべき項目だ。導入判断を急ぐより、まず手持ちの定型業務1件で行動成功率を測ることを推奨する。