AWS:AZ間ENA Express対応
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AWSは2026年5月12日、ENA ExpressをAZ間のEC2インスタンス間通信にも適用すると発表した。従来、同一リージョン内でもAZをまたぐ単一フローは最大5 Gbpsに制限されており、マルチAZ前提の分散ストレージや同期レプリケーションを行うデータベースでは、この帯域制約を回避するためにフロー分割やシャーディング設計が必要だった。今回の拡張により、単一フローで最大25 Gbpsに到達する。

中核技術はAWS独自のScalable Reliable Datagram(SRD)プロトコルである。SRDはマルチパスでパケットを複数経路に分散し、パケットの順序到着を要件としない設計のためヘッドオブラインブロッキングを回避する。輻輳制御も従来TCPより細かく、長距離・高帯域積環境での再送遅延を抑制できる。同じSRD基盤はEBS io2 Block ExpressやHPC・機械学習向けEFAでもすでに採用されており、汎用EC2間通信への展開がAZ間にまで広がった形となる。

運用面では、両側のEC2インスタンスでENA Expressを有効化すれば、互換性検出後に自動でSRD接続が確立される。TCPおよびUDPプロトコルに対してアプリケーションへ透過的に動作するため、既存ワークロードのコード変更は不要だ。追加料金は発生せず、対応インスタンスタイプ・サイズすべてが対象になる。

対象リージョンには東京・大阪が含まれており、国内のマルチAZ本番環境でも初日から適用できる。アジア太平洋、欧州、北米、AWS GovCloud (US) など主要リージョンが網羅されている。実装担当者は、まず既存のAZ間トラフィックで5 Gbps上限への到達状況を計測し、有効化前後でスループットとレイテンシを比較することが、効果検証の第一歩となる。