デジタル庁は2025年5月27日、第19回デジタル社会推進会議幹事会において「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用ガイドライン」を正式決定した。ガイドラインは経済産業省・総務省等との省庁横断で策定されており、政府機関が生成AIを調達・利用する際の公式ルールとして初めて体系化された文書となる。
本ガイドラインの最大の特徴は、利活用促進とリスク管理を表裏一体で推進する方針を明示した点にある。これまで各省庁の個別判断に委ねられていた生成AI導入の要件が、政府横断の統一基準として明文化されたことで、行政のAI導入は本格的な制度的基盤を得たことになる。
ガイドライン本体はPDF・Word・Excel形式で公開されており、さらに英語仮訳(PDF・Word・Excel)も同時公開されている。本体・英語版ともに2025年6月13日に最終更新済みで、ガイドライン案に対するパブリックコメントの結果も別途公表されている。英語仮訳の公開は、国際的な透明性確保と海外との政策比較を可能にする実務的配慮といえる。
民間AIベンダーにとっては、政府調達の要件・基準を把握する上で必読の文書となり、提案書・RFP対応のテンプレートに直接影響する。ガイドライン要件に準拠したサービス設計を行えるベンダーと、そうでないベンダーの間で、政府市場への参入可否が明確に分かれる局面に入った。既存の社内利用ルールを持つ企業・自治体も、ガイドラインとの項目別差分を確認する実務対応が必要となる。