GitHubで公開されているinnermost47氏のリポジトリ「ai-dj」は、ライブパフォーマンス向けに設計されたVST3プラグインである。リポジトリ概要によれば、8トラック・8つのAIモデルを内蔵し、1ループあたり約30秒の生成時間を要する仕様となっている。主要言語はC++で、GitHubスター数は206を記録している。
特徴的なのはプロジェクトの位置付けである。概要文には「Not a song generator — you still have to do the work. Stay human.」と明記されており、楽曲を丸ごと自動生成するツールではなく、演奏者が手を動かすことを前提にループ素材の生成を支援する道具として設計されている。Sunoのような「曲を作るAI」とは異なる方向性を明確に打ち出している。
また「It occasionally hallucinates」と公式概要自体がハルシネーションの存在を認めている点も、生成AIをライブ環境で使う上で重要な前提となる。30秒の生成レイテンシも合わせて、ライブ中にどう運用するかは利用者側の演出設計に委ねられる。
読者にとっての論点は3つある。第一に、VST3としてDAWに組み込める形で配布されているため、既存の制作・演奏環境にそのまま追加できる。第二に、OSSとして公開されているため、複数AIモデルをVST3で束ねる実装の参考資料として読める。第三に、学習データや出力素材の権利関係についてリポジトリ概要では言及がなく、商用ライブで使う場合はライセンスと依存モデルの素性を自分で確認する必要がある。