Googleは2026年5月11日、AI機能を搭載した新Google Financeを欧州ユーザー向けに展開開始したと発表した。米国で先行リリースされたDeep Search、予測市場データ統合などの機能が、欧州市場でも順次利用可能になる。

Deep Searchは、複雑な金融に関する質問を自然言語で受け取り、AIが関連データを集約して回答する機能。従来のティッカー検索や株価チャート閲覧といった操作中心のUIから、対話型の情報取得へと利用体験を切り替える設計になっている。予測市場データの統合は、株価や指数といった実取引データに加え、市場参加者が将来の事象に付ける確率予測を金融情報の一次データとして提示する点に特徴がある。

欧州展開の意味は二面的だ。第一に、BloombergやReuters、Yahoo Financeなど既存の金融情報プラットフォームとの競合領域が、無料のAI検索体験を武器に欧州でも広がる。個人投資家向け情報の標準が、ニュース閲覧から自然言語クエリ+AI要約に動く構造変化が、米国に続き欧州でも進む。第二に、欧州はMiFID II、DSA、AI Actなど金融情報・AI生成コンテンツへの規制が米国より厳格であり、AI生成された金融情報を投資家にどう提示するかが規制適用上の論点になる。Googleは公式のDisclaimerページで投資助言ではない旨を明示しているが、表示文言や情報源の透明性は欧州当局の関心領域に直接触れる。

日本のプロダクト・事業判断者にとっては、自社が提供する金融情報・投資支援サービスのUX設計、AI回答の免責表示、引用ソースの扱いを、Google Financeの実装を基準に再点検する材料になる。