OpenAIは2026年4月27日、公式サイト上に『Our principles』と題したページを公開し、CEOのSam AltmanがAGI開発を導く5つの原則を示した。ページの冒頭には『我々のミッションはAGIが全人類に恩恵をもたらすことを確実にすることだ』というミッション・ステートメントが置かれ、この軸から原則群が導かれる構造になっている。
OpenAIはこれまでも、モデルの行動規範を定めた『Model Spec』をGitHub上でオープンソース公開し、継続的に更新してきた。Model Specはモデルがどの指示を優先し、どのような要求を拒否するかのルールを文書化したものであり、今回公表された原則は、そのModel Specが依拠する上位の価値観を明示する位置付けと読み取れる。
読者にとっての実務的な意味は二つある。第一に、OpenAIを利用する企業・開発者は、契約前や導入設計時に『この事業者がどういう判断軸でモデル挙動を決めているか』を一次情報として参照できるようになった。ベンダー選定の比較軸が、ベンチマーク数値やコストだけでなく、公開された原則文書の具体性にも広がる。第二に、政策立案者や規制当局にとって、事業者の自主ガバナンスを評価する際の一次資料が増えた。AGIという用語の使い方、安全性への言及の粒度、利害調整の優先順位などが、外部から検証可能な形で提示されている。
一方で、原則は抽象的な宣言にとどまる部分もある。実運用での挙動はModel Specと実装に依存するため、読者は原則文書とModel Spec、そして実際のAPI挙動の三者を突き合わせて判断する必要がある。