Claude Code v2.1.139で追加された「/goal」コマンドは、ユーザーが宣言した条件が満たされるまでセッションを継続実行させる仕組みである。従来のClaude Codeは、ユーザーが質問や指示を出すたびにモデルが応答する対話型のループを基本としており、テスト合格やビルド成功といった「終了条件」を達成するためには、人間が毎ターン状況を確認して次の指示を与える必要があった。
/goalはこの構造を反転させる。終了条件をセッション側に持たせ、Claude自身がコード修正、コマンド実行、結果確認のループを回し続ける。人間は条件を定義する役割と、最終結果あるいは異常時のレビューに集中できる。これは、GitHub Copilot WorkspaceやCursor、Devinなどが進めてきた「エージェント型開発」の流れに、Anthropicが公式コマンドという形で明確に乗ったことを意味する。
実装上の注意点として、自走中はファイル編集・依存追加・外部コマンド実行が連続して走るため、サンドボックス、コミット権限、ネットワーク到達範囲の事前設計が利用側の責任となる。停止条件の書き方が曖昧だと、無限ループや過剰なAPI消費にも直結する。
読者の現場で次に問うべきは、「どのタスクなら終了条件を機械可読に宣言できるか」である。テスト合格・lint通過・特定ファイルの生成など、検証が自動化されているタスクから委任を始め、レビュー必須の設計変更とは線を引く運用が現実的だ。スラッシュコマンドという軽い表面の裏で、開発委任モデルの設計思想が一段進んだリリースと位置づけられる。