証券監督者国際機構(IOSCO)が、資本市場でのAI利用を各国の規制当局がどう監督・監視すべきかをまとめた最終報告書「資本市場におけるAI利用に関する監督ツールキット」を公表した。公式発表日は2026年5月25日で、金融庁は2026年6月1日にこれを日本語で紹介した。
報告書は、規制対象の事業者が使うAIシステムを監督・監視するための実務的な手引きを各国の規制当局向けに提示している。目的は、投資家保護・市場の公正性・金融システムの安定という3つの観点で潜在的リスクへの対応検討を支援することにある。資本市場では取引判断や顧客対応など幅広い領域でAIの活用が進む一方、これらが新たなリスクをもたらす懸念が指摘されてきた。
IOSCOは各国の証券監督当局が参加する国際組織であり、その最終報告書は各国規制の方向性を読む手がかりになる。日本の金融機関や証券関連事業者にとっては、自社AIに対する監督・説明責任の水準が国際基準に沿って引き上げられる前提で、AI導入とリスク管理を組み立てる段階に入った。