EUのAI規制法をめぐり、2026年8月の期限に向けた動きが相次いでいる。AI担当部門(AI Office)は、技術文書の提出要求(第91条)独立評価の委託(第92条)是正措置や市場回収の命令(第93条)という3つの強制権限を持つ段階に入る。これまでの企業との技術的対話を主とした運用から、執行ツールを揃えた段階への転換点である。

効き目を支えるのが制裁金だ。情報・評価の要求に応じない場合、第101条に基づき全世界の年間売上高の最大3%が科され得る。並行して、生成コンテンツの表示などを対象とする透明性義務(第50条)の運用も焦点で、これはオープンソースも免除されない

ハイリスクAI分類の指針草案への意見募集は2026年6月23日まで実施中。各国実装ではポーランドが監督機関KRiBSIを新設する法案を採択した。一方、規制サンドボックスの設置期限は2026年8月から2027年8月へ延期された。EU市場でAIを提供・利用する企業は、対応の優先度を一段上げる局面にある。