Google Cloud Next '26の総括記事で示された7つの発表は、エンタープライズAIの実装レイヤを大きく組み替える内容となった。
中核はGemini Enterprise Agent Platformで、Gemini 3.1 Pro、Gemini 3.1 Flash Image、Lyria 3、そしてAnthropicのClaude Opus 4.7までを同一基盤から呼び出せるエンドツーエンドのエージェント開発・管理環境として位置付けられた。ローコード・ノーコードでエージェントを構築できる構成は、機械学習の専門組織を持たない事業部門にも開発起点が広がることを意味する。
インフラ側では第8世代TPUが学習最適化のTPU 8tと推論最適化のTPU 8iの2系統で発表された。特にTPU 8iはドル当たり推論性能が前世代比80%向上と明示され、エージェントのように推論コールが積み上がるワークロードの単価設計に直接効く。ストレージ・ネットワークではVirgo Networkと毎秒10テラバイト転送対応のManaged Lustreが並ぶ。
データ面ではAgentic Data CloudがApache Icebergを標準とするCross-Cloud Lakehouseを含み、AWSを含む他クラウド上のデータをコピーせず参照・クエリできる。データ移動を前提にした統合プロジェクトの是非を、日本企業も社内基準に照らして整理する局面に入る。
運用側では脅威ハンティング、検知エンジニアリング、サードパーティコンテキストの3種のセキュリティエージェントが新設され、SOC業務にエージェントが踏み込む。導入事例としてThe Home Depot、Papa John's、Mars、Citadel Securities、Unileverの名前が挙がっており、リファレンスの厚みが増した。