Microsoftは2026年5月16日、Azure AI FoundryのAgent Serviceに『hosted agents』を追加したと発表した。エージェント向けに設計された、セキュアでスケーラブルなマネージド実行基盤として提供される。
これまでAIエージェントを本番運用しようとすると、ツール呼び出しや長時間実行、状態保持といったエージェント特有の挙動を、汎用のコンテナやサーバーレス基盤に載せて自前で運用設計する必要があった。タイムアウト、サンドボックス分離、権限境界、観測性といった論点を、利用企業が個別に解いてきた領域である。hosted agentsは、この層をホスト側で吸収する位置付けの提供となる。
市場文脈としては、AWSのBedrock AgentCore、GoogleのVertex AI Agent Builderに続き、主要クラウド3社がいずれも『エージェント専用の実行レイヤー』を商用メニューに揃えた格好になる。Azureを基盤とする日本企業にとっては、エージェント開発(Foundry)と実行(hosted agents)を同一プラットフォーム内に寄せる選択肢が増える。一方、汎用基盤上で独自にエージェント運用基盤を作り込んできたチームは、自作とマネージドの境界線を引き直す必要が出てくる。
意思決定で確認すべき点は、(1)分離モデルと権限境界の粒度、(2)実行時間・同時実行数・コールドスタートの挙動、(3)ログ・トレースの取得範囲、(4)既存Foundryエージェントの移行容易性、の4点に集約される。とくにエンタープライズ導入では、社内データを扱うエージェントの監査要件と、hosted側が提供する分離保証の整合を取れるかが採否の分水嶺となる。