Google I/O 2026の基調講演でSundar Pichai氏が示したのは、Geminiを軸にしたエージェント時代への本格移行を、利用規模・インフラ・製品の3点で同時に裏付ける構成だった。
利用規模では、月間処理トークン数が3.2京(クアドリリオン)超で前年比約7倍、Geminiアプリ月間アクティブユーザーが900万超で前年400万から倍増、日次リクエストは7倍超に伸びた。AI Overviewsの月間アクティブユーザーは25億人、AI Modeは1年で10億MAUを突破し、検索体験のAI化が一過性ではなく定着したことを数値で示した。
インフラ面では第8世代TPUを公開し、訓練用「8t」と推論用「8i」の2チップ構成を採用した。8tは前世代比約3倍の演算性能を持ち、100万台超のTPUを複数データセンターにまたがって分散学習できる設計とされる。2026年の設備投資は約1,800〜1,900億ドル規模で、2022年比で約6倍となり、学習クラスター競争で資本面の差が拡大する局面に入った。
製品面では新モデル「Gemini Omni」が任意の入力モダリティから任意の出力モダリティを生成可能で、まず動画出力から提供を開始する。Ask YouTubeは米国で今夏に広く展開予定、Docs Liveも今夏にサブスクライバー向けに提供開始する。Nano Bananaによる画像生成は累計500億枚超に到達しており、生成物の出所表示をどう担保するかという運用テーマが規模面で現実化している。読者は自社プロダクトのどこにGemini APIを差し込むか、提供開始時期を起点に判断条件を整理する段階に入った。