AWS:Connect Decisions提供開始
画像: AI生成

AWSは2026年4月28日、サプライチェーン向けのエージェントAI『Amazon Connect Decisions』を一般提供開始した。これはAmazonが自社の小売・物流運営で30年にわたって蓄積してきた運営科学(オペレーションズ・サイエンス)と、25以上の専門サプライチェーンツールを統合した計画・意思決定ソリューションであり、需給計画チームが「火消し型」から「先回り型」へ運用を転換することを目的としている。

機能の中核はAIチームメイトと呼ばれるエージェント群で、複数の需要シグナルを統合してコンセンサス予測を生成し、制約を考慮した供給計画を作成する。加えて、サプライチェーン全体を24時間監視して差異を検出し、自動で根本原因分析を行い、数千件規模の例外を優先度に応じてトリアージする。担当者には事業優先度に沿った推奨事項のみが提示されるため、意思決定の粒度が粗い計画層から細かい例外処理層まで一貫して自動化される。

導入面での特徴は、既存のERPやSCMを置き換えずに上から被せる形で利用できる点にある。対象業種は小売、CPG(消費財)、自動車、産業製造などで、欠品防止や運転資本の無駄削減を経営課題とする企業を想定している。無料トライアルも提供されており、実データでの評価が可能になった。

提供リージョンは現時点で米国東部(バージニア北部)とヨーロッパ(アイルランド)の2拠点。日本企業が利用する場合は需給・在庫・取引先データの越境移転が発生するため、データ保管地と輸出管理の整理が前提になる。既存SCM専業ベンダーにとっては、Amazon自身の運営ノウハウを武器にした競合が上位計画レイヤーに登場したことを意味する。