2026年4月28日、arXivに『The Last Human-Written Paper: Agent-Native Research Artifacts』と題する論文が公開された。タイトルは挑発的で、『人間が執筆する最後の論文』というフレーズを通じて、AIエージェントが主たる読者・生成者となる時代の研究成果物のあるべき形を問うている。
現在の学術論文はPDFで配布され、人間が読むことを前提に書かれている。コードやデータは補足資料として別途提供されることが多く、再現実験は読者側の手作業に依存してきた。この論文は、エージェントが直接読み書きし、実行し、再利用できる成果物(Agent-Native Artifacts)への移行を論点として提示する。
一次ソースにはHuggingfaceおよびSpacesへの参照が含まれており、モデル・コード・実行環境を統合的に配布するプラットフォームが、論文に代わる研究成果物の基盤として想定されている。従来の学術出版社を中心とする流通から、モデル配布プラットフォームを中心とする流通への重心移動が議論の前提に置かれている。
日本の研究機関・大学・学会にとっては、成果物の配布形式、引用・評価の単位、エージェントが生成した内容の著者性や査読責任といった論点が実務課題として浮上する。特に研究DX・オープンサイエンス施策を進める機関は、配布基盤の選定とガイドライン整備の射程を具体化する必要がある。現時点では一次ソースの議論段階であり、制度的な変更は発生していない。