NTTデータグループは、自社の登録商標『Smart AI Agent®』をシステム開発フレームワーク『TERASOLUNA Suite 2.0』に組み込み、大規模システム開発のプロジェクト管理を自動化する取り組みを2026年3月にNTT技術ジャーナルで公表した。
この取り組みは開発者向けと管理者向けの2層構造で設計されている。開発者向けソリューションはバグチケットの記入支援やスケジュール不整合の自動指摘を行い、日常的な進捗・品質管理の負担を軽減する。管理者向けソリューションは自動レポート生成とAIとの対話機能を提供し、品質判定会議向けの報告書を自動作成する。報告書はテスト密度・バグ検出密度といった定量分析と、バグの多視点分類による定性分析の両方を含む点が特徴的だ。
ロードマップとして2027年に管理稼働40%削減、2030年に80%削減という具体的な数値目標が設定されている。さらに将来像として、AIが課題発見から不具合修正までを一気通貫で実行する自律的なプロジェクト管理基盤の実現を目指すとしており、PMO(プロジェクト管理オフィス)やSEPG(ソフトウェアエンジニアリングプロセスグループ)といった管理組織機能そのものをAIが代替するシナリオが示されている。
日本の企業・行政・開発現場への影響という観点では、TERASOLUNAは国内の官公庁・金融機関向け大規模開発で広く採用されているフレームワークであるため、Smart AI Agentの統合は既存顧客への普及経路として機能する可能性がある。一方で、AIが生成した品質判定報告書の法的・契約的有効性や、品質保証責任の所在については、発注者側が独自の確認基準を定義する必要が生じる。2027年という近い期限でのマイルストーン達成を目指している点で、国内SIer業界における管理自動化の実現可能性を検証する先行事例として注目される。