NVIDIAは2026年6月1日公開の発表で、世界最大の半導体企業TSMCが同社の高速計算技術とAIを設計から製造までの工程に実運用で取り入れていると明らかにした。GTC台北での発表で、約30年の協業が工場(fab)内部の実運用にまで踏み込んだ点が新しい。

具体的な効果として、露光計算ライブラリcuLithoがCPU方式比で20〜50%のコスト・処理時間改善を、材料設計の電子構造シミュレーションcuESTが平均50倍の高速化を達成した。生産スケジューリングはH200GPU上のCUDA計算で高速化し、画像AIのMetropolisTAO Toolkitでナノメートル単位の欠陥検出を改善。物理シミュレーション基盤Omniverseで仮想工場「FabTwin」を構築し、設備配置を物理実装前にデジタルで検証している。

TSMCは世界最大のファウンドリであり、その歩留まりと生産性の改善はAI半導体の供給能力に直結する。GPUで作るチップがそのGPUの計算で設計・製造される循環が回り始めた点が、今回の本質になる。